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表面波探査による宅地地盤調査 1 (計測編)
地盤調査の必要性
●基礎設計
建設予定地における地盤の長期許容応力度(地盤が長期にわたって支持可能な荷重・接地圧のこと.以下文中、地耐力と表現します)を検討せずには基礎の設計はできません。
また、建築基準法においても地盤の強度・状態に対応した設計にするよう書かれていますので、調査は必要です。
●瑕疵保証
住宅(注文・分譲)を販売される工務店・ハウスメーカーは、住宅引渡後10年間に渡り、住宅の基礎構造部分に関し、お客様に保証しなければなりません。
軟弱な地盤の上に住宅を建設する場合、住宅(積雪等も含む)から地盤にかかる荷重(接地圧)が地耐力を超えている場合には不同沈下等のトラブルの原因になります。
●資金計画
建設予定地の地盤が軟弱であったとしても、地盤に関する正確な情報があれば、適切な対策を選択する事が可能であり、無駄を省けます。
住宅建設にかかる費用は非常に高額ですので、予算を必要なところに必要なだけ配分することができます。
調査方法
●社内における各種資料を用いた資料調査状況
●調査地および周辺部における地表踏査実施状況
●表面波探査機による建設予定地内の調査状況
■ 資料調査 ■
地質図、地盤図、地形図等の既存資料により、付近一帯の地盤が生成された過程や盛土以下の地盤における地質等の概略を把握します。
■ 地表踏査 ■
建設予定地の周辺を踏査(調査技術者が現地を歩いて目視にて行う調査)します。
■ 表面波探査 ■
建設予定地内で計測された表面波速度(m/s) から長期許容応力度(kN/ u) を求め、これにより地盤の強度を評価します。
表面波探査の特徴
●駐車場や道路などのアスファルト上であっても調査することができます。
●地中にガレキや礫層、岩盤があっても調査することができます。
●表層地盤改良工事後の土地であっても調査することができます。
表面波探査では以下のことがわかります
●地盤の強度(地耐力 kN/u)
住宅の長期安定を図るためには、「接地圧<地盤強度」となる基礎を設計が必要です。
●地盤のゆるみ(深さ、大きさ、分布等)
局部的に地盤がゆるんでいる場合、不同沈下の原因となる場合があります。
●地層構造(支持地盤の傾き等)
支持地盤が傾斜している場合は不同沈下の原因となる場合があります。
表面波探査機による調査方法
●振動波には、硬い物ほど速く伝わるという性質があります
■ 探査原理 ■
○弾性波(弾性体【地盤】を伝わる振動波)には、硬い物ほど速く伝わるという性質があります。
○本調査で計測するレイリー波(表面波)には、地表より一定の厚さで伝わっていく性質があり、その厚さは振動の周波数(波長)に依存します。よって、異なる周波数(波長)の表面波を計測することで、地表から深部地盤に至るあらゆる深度における表面波伝播速度を計測することができます。
●起振機により地盤に振動を与え、その伝播速度を計測します
■ 計測方法 ■
○起振機またはウエイトの落下により人工地震波を発生させ、2個の検出器で表面波(レイリー波)をとらえ、地盤を伝わる表面波の速度を計測します。ここで計測するのは検出区間を通過した振動の周波数およびその位相(時間差)です。2個の検出器間を通過した時間差とその設置間隔により、通過した表面波の速度を算出します。
○計測したデ−タは、フロッピィディスクやハードディスクなどに記録して持ち帰り、解析作業に移ります。
調査に使用する表面波探査機
●自社開発した表面波探査機による計測状況(E−EXP 1)
■ E−EXP 1 ■
○ウエイトの落下による衝撃を起振源とした表面波を計測するため、深さ約10m(地盤状況により深度は上下する)までのデータ計測に優れる。
○起振方式の特性により、改良地盤上での計測には注意を要する。
■ GR−830 ■
○機振機によって発生した微弱な振動を計測するため、深さ約6m(地盤状況により深度は上下する)までのデータ計測に優れる。
○起振方式が非破壊方式のため改良地盤上での計測に優れる。
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